Saturday, October 15, 2005

身だしなみ(今回は長いんだけど多分笑えますぜ。)

最近、体調が悪かった。風邪の症状が引いた後もだるだる星人だった。寝ても寝ても眠い。何をする気にもならない。一教科しか授業が無いって日でさえ、講義をぼぉ~っと聞き、ふらふら~っと家に帰る。そして寝込む。そんなだらしない感じで今週一週間が終わってしまった。

で も今日は思った。Lazyさが更なるLazyを招いているのだ。今日は体の中から自分を綺麗にしようと走りに行った。久々だったから全然足が動かない かな?と思いきや、体は待っていました!と言わんばかりに動き出し、ペースは遅かったけど楽々一時間位走ることが出来た。
あぁ、やっぱり運動はい い!爽快な気分で家に帰るとお父さんからメールが届いていた。タイトルは“身だしなみ”。内容はというと「写真を送ってきてくれた が、その写真を見てお母さんが『乞食か・・・?髪の毛がだらしない。』」そして「身だしなみを整えましょう」と言う文面で締め括られている。爽快な気分も 素晴らしく台無しだ。

確かに私はイケテ無い。その辺、身の程わきまえていつも目立たないようにしている。センスも悪いが、お金も無いのだ。でもそんな私にだって理由がある。

今現在、私の髪は真っ黒。元々量が多く、硬い髪質なので確かに汚いと言われてしまえばそれでおしまいだ。でもヒューはこれで喜ぶ。お風呂から上り、髪が縦横無尽方向に乾き始め、幅広1.5倍増量中な時など目をキラキラさせて私を見ている。
また、こりゃボンバーヘアーだ。爆弾でも落とされましたか?という爆笑的状況な時の方が、なんならご満悦なのだ。

あ る時髪を切りに行く前、「汚い部分を切り落とすだろうから、私の髪は明日からもう、長くは無いと思う」とメモを残しておいた。すると返信として「ヤスがそ うやって髪を切ってしまうなら僕は坊主にするからね。」と脅迫された程だ。彼の坊主はよろしくない。髪は伸ばす事にしよう。

し かし何故そこまでこだわりがあるのか。まずカナダ人は髪の量が少ない。そして細い。だからこそこちらの美容院に行くと“髪をすく”という技術は無い。それ でも無理やりすいてもらおうとす るととんでもないところに段を入れたりする。カナダ人はみんなボリュームアップを心掛けているようで、日本では今見ないであろう毛先をふんわり丸めた髪型 をしている人もいる。(*ちなみに全てのカナディアンがそういう好みでは無いのであしからず。)

そして黒という色。真っ黒な髪を持っている人は少ない。だからこそアジアンテイストで、エキゾチックな雰囲気を醸し出そうと美しいブロンドヘアーを真っ黒に染めてしまっている人すら居る。(ヒューの妹さんがそうだった。)なんてもったいない・・・

そ んなカナダ人からすると黒い髪を茶色にし、もともとボリュームある髪をスカスカにしてしまう日本人のセンスが分からないのだ。かと言って、私は別にカナ ダ人ウケを狙っているわけじゃないし(実際ウケた記憶も無いし)こうしているのは一番手間がかからず安上がりだからだ。完全に終わっていると言って過言で は無い。

しかしヒューのセンスを鵜呑みにするのも危うい。アイツは変だ。今日はヤツを売ってしまおう。

まず、ブーツがダ メ。先のとんがったツッカケみたいな靴も嫌い。お願いだから履かないでと言う。(ちなみに私はブーツも数足持ってるし、その形のツッカケを買おうとまでし ていました。)理由を聞くとブーツは大抵ミニスカートと相性が良い。冬、寒いのに何故ミニスカートなのだ?ブーツを履く位寒いなら長いスカートを履け。こ れが彼の言い分だ。これに対し「変なの。」というのが普通の 人の反応で、私はこういうのをとても面白いと思ってしまう。そういう私もかなりヤバイ。

そ して彼はとことん物を大事にする。先日、さすがにもうこ れは着れないだろう、という自分の洋服を整理していた。毛玉だらけのもの、縮んだもの、色褪せた もの・・・そういったものを紙袋に「これも要らない。これも着れない。」とやっていたら横で見ていた彼、「どうりで日本経済が順調なわけだよ。」と言う。 そしてそのまま作業を続けていたら「もう見てられないよ!」と怒って部屋を出て行った。その反応、もちろんウケました。

そ して先日、彼のTシャツがあまりに色褪せ、首のところが擦り切れ、両脇に穴が(爆)空いているので、「もうさすがにこれはみっともないから捨てる!」と 強気に出たら、それはそれは悲しそうな顔をする。「そのTシャツ、随分役に立ってくれたんだ・・・しゅぅん・・・」と言った具合だ。結局その表情に負けて 捨てられなかった私。今はセーターを上に着るから見えないでしょ、と下にそれを着ている。(彼の名誉の為に付け加えれば他のTシャツは穴空いてません。- 笑)

これを人に話すと大抵一蹴で「変だね。」と言われる。人によってはブランド物を所持している事で信頼度や成功度を測る人も居るし、逆 に 私にとってはゴミを出 来るだけ出さない人の方が信頼がおけるらしい。しかしこんな風に“変に”価値観を変えていくと私のような人間が出来上がる。結局誰にも見向きも評価もされ ず、親に乞 食頭と言われる自分。この方向性で良いのだろうか。いや、随分ヤバイんじゃないか・・・